上京してもうすぐ1年たつ。
東京に引っ越した日は、一粒万倍日と天赦日と寅の日が重なる、2021年で最強の開運日だったらしい。
都民になった夜、中野サンプラザに志磨万博を観に行った。
主役の人はトラ柄のセットアップで出てきた。
幸先のいいスタートのように思えたが、想像通りコロナ禍の東京でのひとり暮らしはさみしくて、過酷なものだった。
上京してからも2度、緊急事態宣言が発令された。
在宅勤務か、職場と部屋をただ往復するだけの日々。
史上初の1年延期された東京オリンピックが徒歩圏内でやっていても、まったく興味がわかず、東京に暮らしている感覚なんて、まるでなかった。
テレビのないせまい部屋でずっとひとりで過ごして、昔はわざわざ大阪から来ていたライブハウスや美術館、観に行きたい建築はすぐそこなのに、何もやっていないし入れない。近くにいるのに遠い。
秋ぐらいまでは、なんで自分は東京にいるのだろう、と毎日思っていた。
東京にいる実感がようやくわいたのは年末のことだった。渋谷 PARCO劇場での音楽劇「海王星」に何度も通った。このために東京に来たんだと思った。
ずっと東京にあこがれはあったけど、まさか自分が東京で暮らすことになるとは思いもしなかった。
コロナ禍になって生活のすべてが変わった。
コロナがなければ上京することはなかったと思う。
なにもできなかった1年だったけど、ふりかえると色んなことがあった。
2回も深夜に大きな地震があってこわかった。
「料理は化学」と思えてきた。
休みの日にちゃんと午前中に起きて、東京の喫茶店に行くことが最近のマイブームだ。
近所の桜も咲いてきた。
そろそろ東京での暮らしのあれこれを書きたくなったので、今日から東京日記をはじめます。
報告が1年も遅れてしまったけれど、
わたしは東京で元気にやってます。
玄関ドアに貼ったホテル味園のキーホルダー(東京のわたしの部屋のなかは大阪)。