内田裕也さんとの(一方的な)思い出。

 

 

 

 

内田裕也さんとは3度、お会いしたことがある。

お見かけした。とも言う。

 

最後にお見かけしたのは、5年前。2014年3月6日。

ローリング・ストーンズの「14 ON FIRE 」TOUR の日本公演最終日、東京ドームで私ははじめてローリング・ストーンズを観た。

 

60's のヴィンテージスーツと帽子、ヒョウ柄のコートでパッキパキにキめて、東京ドームのスタンド席で開演を待つ。

お客さんの年齢層が高い。

ほぼメンバーと同世代ぐらいの、オーラが一般人とは明らかに違う、かっこいいおじさま、おばさまたち。

まわりに私と同世代の人はひとりもいない。

 

すると、開演時間直前に、アリーナ席のど真ん中に、見おぼえのあるデカいロン毛の若者三人衆が入ってきたのが見えた。

 

それはどう見ても、

 

その日が誕生日の志磨遼平と、越川和磨、菅大智。

 

肉眼でも、後ろ姿でハッキリわかる。

私は、しま西くんスガさま越しにローリング・ストーンズを観ることになった。

……と思ったが、客電が落ちて、ステージに照明が当たり、コンサートがはじまると、しま西くんスガさまのシルエットを見失ってしまった。

 

アリーナのしま西くんスガさまを必死に探していると(←ストーンズさま観ろよ)、見つけたのは、しま西くんスガさまではなく、

しま西くんスガさまがいたあたりのすぐ前方に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白髪のロン毛。

 

 

 

 

 

 

 

 

暗くても、ぼやっとした白いかたまりがよく見える……

 

 

 

あのシルエットは……、

 

日本で、いや、世界でもひとりしかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に、内田裕也

 

 

 

 

 

 

私は、しま西くんスガさま越しではなく、

 

 

 

 

内田裕也越しにローリング・ストーンズを観たのだ。

 

 

 

 

 

そして、混乱をさけるためか、ロッケンローラーは、アンコールの “サティスファクション” の途中で退場。

 

 

黒服3人をたずさえて、

車椅子を押してもらっているのに、

なぜか車椅子に乗りながら、杖をついて、

こちらのほうに来られた。

 

 

 

ロッケンローラーとの距離=5m まで近づいたところで、

 

 

ロッケンローラーは、私がいるスタンド席の真下の、

 

 

 

おそらく、永ちゃんが東京ドーム公演でハーレーで出てきた出入口から出て行かれたと思う。

 

 

 

私は気が気じゃなく、アンコールどころではなかったが、“サティスファクション” だった。

 

 

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はじめてロッケンローラーに会ったのは、

そこからさらに2年ぐらい前だったと思う。

 

当時私は、午前3時すぎまで残業→タクシーで帰宅→睡眠不足→起きられない→9時の出勤時間に間に合わないからタクシーで出勤、みたいな負のスパイラルで社畜の日々だった。

 

 

そんなある日、

朝はよく混む道で案の定渋滞し、

タクシーは徐行運転。

そのとき、側頭部にただならぬ雰囲気を察知したため横を確認すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

となりのタクシーに内田裕也

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を疑ったが、完全に内田裕也

 

 

 

 

 

 

 

 

ロッケンローラーとの距離=1mでしばらく並走。

 

 

 

 

 

 

 

動揺して、朝マックのハッシュポテトをタクシー車内に落とす。(運ちゃんごめん。)

 

 

 

 

 

 

 

たぶん、サングラス越しに目が合っている……ので、

 

 

 

 

 

とりあえず会釈をしたら、

 

 

 

うなづいてくれた。内田裕也が。

 

 

 

 

そこで、渋滞を抜けて、ロッケンローラーと解散したのだが、

 

 

 

 

 

 

おどろくことに、

次の日も寝坊して、

タクシーで出勤して、

同じ道で渋滞して、

同じ場所で……

 

 

 

 

 

 

 

 

2日連続で内田裕也に会った。

 

 

 

 

動揺して、その日はタクシーの車内にアイスコーヒーをちょっとこぼして(運ちゃんごめん。)、

 

 

また会釈したら、

ロッケンローラーもまたうなづいてくれて、

 

 

 

その日もその道で、解散した。

 

 

 

 

 

 

なんでこんな時間に、大阪のこんなところで、しかも2日連続でロッケンローラーがひとりでタクシーに乗ってるん? と不思議に思ったけど、

 

 

 

桑名正博さんが亡くなる前に入院されていた病院が、

当時私が勤めていた会社の近くにあり、

 

 

ロッケンローラーは、桑名さんのお見舞いに通われていたのだ。

 

 

私のお客さんであり、その病院関係者の方の話によると、

内田裕也さんは、お見舞いに来られると、

集中治療室で意識がない桑名正博さんを

(サングラス越しで)しばらくじっと見つめて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタンダップ!!!!」

 

(Stand up )

 

 

 

 

 

 

 

 

と唱えて、毎日帰られていったそうだ。

 

 

 

 

 

結局、裕也さんとお話しすることなく、

桑名さんは旅立って行かれたけど、

 

裕也さんと桑名さん、もう会えたかな。

 

 

 

 

 

私には、いつも会うと必ず新しく仕入れた内田裕也ネタを披露しあう友達がいる。

その友達に話すために裕也さん情報を集めるのがたのしみだったし、

またいつかどこかで突然ロッケンローラーに接近できたらいいなあ、なんて思ってたけど、

もうお会いできることはないんだなあ。

 

 

 

そんな、ロッケンローラーとの(一方的な)思い出。

 

 

 

 

でもまたその友達に話したいから、

夢には出てきてよね、ロッケンローラー。

 

 

 

 

(おしまい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のィヨコハマ物語 第3話『ニューグランドホテル(前編)』

 

 

 

 

ィヨコハマといえば…

 

 

 

 

 

ニューグランドホテル。

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

ホテルニューグランド(正式名称)。

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はじめてニューグランドホテルに宿泊したのは、

10年前の今日。

 

2009年2月15日。

 

 

 

 

なぜ、ィヨコハマを訪れたかというと、

TRIBECKER 初のワンマンライブが開催されたから。

 

 

 

(TRIBECKERについてはこちらの記事をご覧ください。↓)

madorigirl.hatenablog.com

 

 

 

 

TRIBECKER とは、大阪のバンド。

 

 

 

そして、メンバー全員が大阪在住(当時)。

 

 

 

 

なのに、なぜか…

 

 

 

 

初ワンマンが、ィヨコハマ。

 

 

 

 

 

しかも、ど平日。

 

 

 

 

当時のお客さんたちはみんな、仕事休んでィヨコハマに大移動。

その日はじめて有休を取ったというおねーさんもいた。

 

 

 

 

愛されてるなあ、TRIBECKER…

 

 

 

 

…というよりは、

 

 

 

「よっしゃ、ィヨコハマまで飲みにいこか!」

 

 

 

みたいなノリでィヨコハマに集合した、

かっこいいおにーさんおねーさんたち。

 

 

 

 

私は当時、平日がィ休みだったのでヨユーの表情。

 

 

 

 

ィヨコハマで TRIBECKER。

モチロン私は、ニューグランドホテルに宿泊。

 

 

 

 

TRIBECKER のライブで知り合って仲良くなった、いつも最前列にいるすっごい美人なおねーさんたちと3人で、

 

 

デラックス・トリプルルームというお部屋に

チェック・イン。(写真はナイ。)

 

 

すっごい美人なおねーさんたちと一緒に泊まるから、

 

すっごい緊張。

 

 

 

 

 

 

ニューグランドホテルとは、

渡辺仁が設計した1927年(昭和2年)開業の、

当時日本ではまだ数少なかった外国様式のクラシックホテル。

 

 

本館のロビーは『華麗なる一族』や『有頂天ホテル』などなど、

数多くの映画ドラマCMミュージックビデオアー写雑誌などのロケ地として使われていて、

 

毎年2、3回は、(あ、ニューグランドホテル……)なんて、なんらかの作品でみかける。

 

 

www.youtube.com

↑ 東京事変だけど、ィヨコハマでMV撮影。

 

 

 

そんな歴史あるニューグランドホテルには、

チャップリンコクトーベーブ・ルースなど、

海外から数多くの著名人たちが訪れたことや、

第二次世界大戦敗戦後、米軍進駐期にマッカーサーが、現在は「マッカーサーズ・スイート」と呼ばれる315号室に滞在したことも有名。

 

 

 

 

そんな歴史ある外国様式のニューグランドホテルは

お部屋も外国様式。

 

 

 

 

洗面所の高さも外国様式で高くて、

 

 

 

身長158センチの私が顔を洗うと、

 

 

 

 

 

 

ヒジから水が伝って、

洗面所がびっちゃびちゃになった。

 

 

 

 

 

洗面所をびっちゃびちゃにして、

お化粧をして、

 

 

すっごい美人なおねーさんたちと向かったのは、

 

 

Dragon Club という、ライブハウス。

 

 

TRIBECKER 初ワンマンの場所。

 

 

当時オープンしたばかりの Dragon Clubは、

残念ながら数年で閉店し、

名前を変えてまたライブハウスとしてオープンしたらしいけど、

先週行ってみたら、もうそのビルさえもなくなってしまっていた。

 

 

 

TRIBECKER 初ワンマンが、

どんなライブだったかは、あまりおぼえていない。

 

 

でも(打ち上げ以降の)この夜のことは、

よくおぼえている。 

 

 

 

 

ライブがハネたあと

そのままDragon Club で打ち上げして、

お酒飲んで、まあまあ酔っぱらって、

 

 

飲んでたら、リーダー(B.sax 青木ケイタ氏)がやって来たから、

 

 

「ふっふっふ… ニューグランドホテルに泊まってるんですよ。」

 

 

って自慢したら、

 

 

 

「え!!なんで??? どうせ朝まで飲むのにもったいないやん!」

 

 

 

 

て、うらやましがられて、

 

 

 

 

 

めっちゃうらやましがられて、どっか行って、

(TRIBECKERメンバーはその日ビジホに前泊してたらしい)

 

 

 

また来たと思ったら、

 

 

 

「ぜったいもったいないわ!」

 

 

 

て言ってまたどっか行って、

 

 

 

 

 

ギタリストてるちゃんのフライングVさわらしてもらったり、

 

かっこいいおにーさんおねーさんたちときゃっきゃしてたら……

 

 

 

 

あのイントロが聴こえてきた……

 

 

www.youtube.com

(リンク2回目)

 

 

 

 

ハッ!!として(good ……ではなく)、

 

 

 

 

DJブースのほうを見たら、 

 

 

 

 

リーダーがこっちを見ながらニヤニヤしていた。

 

 

 

 

めちゃめちゃうらやましがってたのに、

DJをまわしてた Bar 石の花の雄一郎さん(大阪からいらしてた!)に、

“ニューグランドホテル” をリクエストしてくれたのだ!

 

 

(やさしい……!)

 

 

 

 

そしてまたこっち来て、

 

「シェードはあった?」

 

て聞かれて、

 

 

「なかった。」

 

「本館じゃないからちゃう?」

 

 

とか、話したの、

書いてたら思い出してきた。

私の記憶力すごいな。

 

 

 

 

 

そして打ち上げの最後にメンバーが、お楽しみを用意してくれていた。

 

 

TRIBECKER のジャケットやグッズを手がけていた、イラストレーターの高山泰司さんが、

このワンマンライブのためにデザインした超かっこいいバスドラのカバーを、

 

 

 

超かっこいいバスドラのカバーを……

 

 

 

なんと、争奪戦で勝ち抜いた1名にプレゼントしてくれるというのだ!

 

 

 

 

殺し合い。

 

 

 

 

 

ではなく、ジャンケンで……

 

 

 

 

 

ライブハウスで本気でジャンケンをする

かっこいいおにーさんおねーさんたち。

 

 

 

 

私は1回戦で負けて傍観してたら、なんと!

 

 

 

 

 

一緒にニューグランドホテルに泊まっていたおねーさんが、勝ち取った!!!

 

 

 

 

その激レアバスドラカバーがこちら。

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メンバー全員と、高山さんのサイン入り。

 

昨年の夏休みにおねーさん(まりこさん)のおうちに遊びに行ったときにバスドラカバーと再会。

 

家宝の扱いでリビングに飾られていた。

 

 

 

Dragon Club での打ち上げはこれでおひらきだったけど、

 

 

夜はまだまだこれからだった。

 

 

私たちがニューグランドホテルに泊まってたことを、めちゃめちゃうらやましがっていたリーダー。

 

 

でも、そのあと合流したBar で、

(↑ ここのBar については第4話で書くよ。)

 

「今日の宿…… ニューグランドホテルやった。」

 

と、ぼそっと言うリーダー。

 

 

 

ィヨコハマでの ワンマンライブを主催してくれたかっこいいおねーさん(関西在住のお茶屋さん、バイク乗り)が運転するバンドワゴンは、TRIBECKER メンバー全員を乗せて Dragon Club を出ると……

 

なんと、ニューグランドホテルに IN したらしい!!!

 

 

なんちゅうサプライズ!!!

 

 

なんちゅう男前で粋なお姉さま方!!!

 

 

リーダーは

「でも、どうせ朝まで飲むのに。」(←そればっかり)

 

ってまだ言ってたけど、

めちゃめちゃうれしそうだった。

 

 

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真夜中の本館ロビー。

 

案の定朝まで遊びまわったけど、

途中でホテルに戻ってきて、

誰もいない本館を探検したり、

ニューグランドホテルめっちゃ満喫した。

 

 

 

翌朝(ていうかもう昼前)、

チェックアウトして(←ギリギリ)

ニューグランドホテルを出たら、

 

 

TRIBECKER のメンバーが、

バンドワゴンに荷物を積み込んでいた。

 

 

ピアニスト・アダチベッカーはさわやかだったけど(←夜遊びしてない人)、

 

 

リーダーはめっちゃ眠そうで(←朝まで飲んでた人)、

 

 

ギターのてるちゃんと弟子はヘンなテンションで(←明け方真冬の海に入っちゃった人)、

 

 

主催のおねーさんが、

ィヨコハマといえば!な、元町商店街

喜久屋という洋菓子屋さんの、

 

「ラムボールてのが有名やから買って帰り!」

 

っておしえてくれた。

 

 

「めっちゃでっかくて甘いから!」

 

 

っておしえてくれた。

 

 

 

そして、TRIBECKER 御一行様を乗せた

バンドワゴンを見送った。

 

また大阪で会うから不思議なかんじだった。

 

 

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喜久屋のラムボール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

買わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後編に続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のィヨコハマ物語 第2話『ダンデライオン』

好きな曲と同じ名前だからずっと行ってみたかった

サンフランシスコ発祥のチョコレートのお店。

 

ダンデライオン・チョコレート。

 

その日本第1号店、

ファクトリー&カフェ 蔵前(東京都台東区)。

 

f:id:madorigirl:20190213221052j:imageDandelion Chocolate 公式サイト

 

 

 

 

(… ィヨコハマ物語ちゃうんかい。というかツッコミが聴こえる。)

 

 

 

昨年、音楽劇『三文オペラ』を観に、KAATに行く前に蔵前まで足を延ばしたのです。

 

 

(だから私のィヨコハマ物語第2話。)

 

 

 

 

 

 

 

 

一棟まるごとチョコレート工場とお店、カフェスペースにリノベした建物。

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トラスが美しい。

 

 

 

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元は梱包材の倉庫だったらしい。

 

 

 

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↑ このテーブルのガラス越しに1階のチョコレート工場が見える。

 

 

 

 

2階のカフェスペースでホットチョコレートを飲んでいると、

 

 

 

1階のチョコレート工場からカカオ豆をくだく大きな音が聴こえてくる。

 

 

 

 

会話が困難なぐらい、まあまあうるさい。

 

 

 

 

 

ぼっちやから別にええけど。

 

 

 

 

 

ホットチョコレートは美味しい…

 

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ホットチョコレートでホッとした。(←言いたいだけ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6種類あった板チョコを全部味見して、

いちばん好きな味をお土産に選んだ。

 

 

 

 

 

バレンタイン・デーになったらあの人に写真を送ってあげて …❤︎

 

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写真だけ送ってあげて …❤︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現物は自分で食べた。

 

 

 

 

 

 

 

カカオ豆とお砂糖だけでできているのに、

チョコを口の中で溶かすと、

 

 

鼻から、つー… と、ベリーとか柑橘系の香りが抜けていく。

 

 

 

不思議な体験。

 

 

 

 

今まで食べたことのない味。

 

 

 

 

ひとくち食べただけで、まるで魔法をかけられたみたい…!

 

 

 

 

(とか言ってみたくなるくらいほんまスゴいからいっぺん食べてみ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三文オペラ』を観る前に訪れたダンデライオン・チョコレート。

 

 

 

 

 

 

しまがはじめて音楽監督を務めた『三文オペラ』。

 

 

 

 

 

そして『三文オペラ』の後しまが挑戦した、

ドレスコーズ『PLAY TOUR』の

お芝居のストーリーにおいても、

ダンデライオン” は大切な曲だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『PLAY TOUR』って、ィヨコハマってかんじする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、ツアーはィヨコハマはまわってない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『PLAY TOUR』ファイナルは、新木場studio COAST(東京都江東区)。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、COASTは海の近く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海はぜんぶつながっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということは、ほぼほぼィヨコハマ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、私のィヨコハマ物語・第2話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

イーーーーッネ!!

 

 

 

 

 

(つづく。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のィヨコハマ物語 第1話

先週末、ちょうど1年ぶりにィヨコハマを訪れた。

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 (↑ 知らない外国人旅行者とかもめたち。)

 

今回の旅の目的はこの舞台。

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サルトルの『出口なし』。

 

ちょうど1年前、同じ劇場に観に来たのは、この音楽劇だった。

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ベルトルト・ブレヒト(戯曲)とクルト・ヴァイル(音楽)によって91年前にドイツで上演された『三文オペラ』。

この音楽劇を90年後のィヨコハマで、しまがクルト・ヴァイルの音楽と歌詞を再解釈し音楽監督を務めるというので、去年は1泊して千穐楽とその前日の2公演を観た。

 

そして今年はブレヒトの『マンイストマン』が上演されていた。

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ブレヒトサルトルが同時に上演されている KAAT… すごい劇場だな…

どちらもマチネだったのでハシゴはできず…

 

 

 

矢沢永吉山口小夜子横山剣… 私の大好きな人たちのたいせつな街、ィヨコハマは、

 

しまがはじめて音楽監督を務めた街で(しかもそのために稽古から上演期間中の1ヶ月あまり、劇場近くのマンスリーマンションに住み込んでいたらしい)、

ドレスコーズR.I.P. TOUR』 ファイナルの舞台で、

イトコの家があって(行ったことない。しかもィヨコハマから東大に4年間通っていた。えらい。)、

TRIBECKER がはじめてワンマンライブを開催した街でもあり、(TRIBECKER についてはこちらの記事をご覧ください。↓)

madorigirl.hatenablog.com

 

…ィヨコハマとは、

私にとってもとても特別な街なのだ。

 

 

そして今夜も『三文オペラ』を、今日はあの京都大学吉田寮で観る。

なんと、デグルチーニさんがお歌で出演。

たのしみすぎて、早く目が覚めたのでブログを書いている。

daiengeki.wixsite.com

 

 

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つづく。

 

 

 

さよなら2018年。

今年も残すところあと1日と少しですね。

ど年末が誕生日のわたしは、今日3〇歳になりました。

誕生日の朝は、フレンチトーストを作って食べました。

あらかじめ6等分にカットした食パンを、たまご2個を牛乳に溶かした液体に充分ひたし、バタをひいたフライパンで焼きます。先にパンをカットしていると、たまご液がよく浸透するし、それぞれ6面焼けてパリパリの面ができます。そして中はジュン、ジュワ~~……!です。

はぁ~……とても美味しかったです。

 

お誕生日お祝いメッセージをもらって、返信するメールやLINEのやりとりや、ドレスコーズマガジンから届いたしまからのバースデーメッセージにも、もう「2019」と書かれていて、誕生日をむかえるともう新年をむかえたような気分になるのは、毎年のことです。ど年末に生まれた運命(と書いて“さだめ”)だ。

そんなわたしの2018年はこんなかんじでした。

  • 2017年12月30日 ちょうど1年前の今日、このブログをはじめる。

    madorigirl.hatenablog.com

  • 2月 横浜KAATに音楽劇『三文オペラ』を観に行く。吉本新喜劇以外の劇をはじめて観る。
  • 4月 嫌いな上司が異動。直属の上司が変わり、仕事のパフォーマンスがあがる。上期より現在も全国2位の成績をキープ。(しかし関東の着工数にはかなわず、なかなか1位は取れない。別にめざしてへんけど。)
  • 4月26日 飼っていたシャム猫を亡くす。

    madorigirl.hatenablog.com

  • 5月~6月 ドレスコーズ『PLAY TOUR』全国7ヶ所を全通。
  • 6月18日 『PLAY TOUR』のファイナル東京から帰阪した翌日、大阪府北部地震が発生。地震当日は会社を休む。地震の影響で仕事が忙しくなる。
  • 7月末 『三文オペラ』、『PLAY TOUR』の影響で、演劇に興味を持ちはじめる。わざわざ上京し、友人の勧めで、ナイロン100℃『睾丸』とDULL-COLORED POP 福島3部作・第1部『1961年:夜に昇る太陽』を観劇。観劇デビューを果たす(『三文オペラ』をのぞくと)。以後、観劇にハマる。
  • 8月中旬 ツイッターでインテリア相談サービスをはじめる。

    madorigirl.hatenablog.com

  • 8月末 実は手術を受けた。(整形じゃないよ。)
  • 9月4日 台風21号上陸。自宅・会社周辺も大きな被害を受ける。術後間もないのに、電動ドライバーを持って、近所のお年寄りのお宅の応急処置、補修の応援に出動する。この影響でまた仕事が忙しくなる。プラス思考で言えば、地震と台風の影響で経済効果のあった一年だった。
  • 9月22日 『京都磔磔における室内楽ドレスコーズ』たのしかった!

    madorigirl.hatenablog.com

  • 9月28、29日 ドレスコーズ×前野健太ざくろ>ツアー、@名古屋CLUB OUATTRO 、大阪味園ユニバースを観に行く!たのしかったしうれしかった。

    madorigirl.hatenablog.com

  • 10月 また観劇のために上京。東京芸術祭野外劇『三文オペラ』観劇。翌日吉祥寺での渚ようこさん追悼イベント『2018 自由に歩いて愛して 追悼・渚ようこ』に行く。あこがれのイベントにまさかのしまシークレット出演!しかも中村ジョーさんの「イエイエ」ハモりつきで、“スーパー、スーパーサッド” をデュエット。一生分の運を使い切った気がする。
  • 12月23日 『12月23日のドレスコーズ』@恵比寿 The Garden Hall を観るために上京。
  • 12月24日 はじめて東京カテドラル大聖堂に行く。賛美歌の歌声とパイプオルガンが心地よすぎて、クリスマスミサで睡眠をとってしまう。

 

地震、台風、手術……たいへんなことも多かったけど、

『PLAY TOUR』全通したり、演劇にハマったり、疎遠になっていた人と久しぶりに連絡がとれたり、ツアー先や東京でひさしぶりな友達に会えたり、あたらしいことをはじめたり、たのしいいいこともいっぱいあった一年でした。

ゆく年くる年。さよなら2018年。

平成も終わるし、時代の移り変わりもすごく感じながら、ドレスコーズの “20世紀(さよならフリーダム)” を聴きながらこのブログを書いています。とても大好きな曲です。

 

ずっと思ってたんですけど、そして誰からも同意を得られないことをおそれずにいいますけど、

“meme” TOUR で “20世紀(さよならフリーダム)” を歌う平凡さんと、“また逢う日まで” を歌う、尾崎紀世彦さんって、ちょっと似てませんか?

(これを言いたいがために、このブログを今日書いたとも言えます。)

 

m.youtube.com

 

 

そして、さらにひんしゅくをかうかもしれないのですが、この動画の尾崎紀世彦さんと斎藤工さんもちょっと似ていると思います。

 

あと、“また逢う日まで”って、このチャッチャッチャラ~チャラ!てイントロから、あのAメロ~サビにいく曲の構造って意外すぎませんか?

よくテレビの「懐メロ特集」みたいなので、この曲のAメロとかサビだけ聴いていたので、はじめてフルコーラスでこのイントロ聴いたとき、(???)てなってなっかなか、イントロとAメロ~サビが結びつかなかったです。

 

そして、この歌詞のふたりが別れた理由って、≪(別れの そのわけは)話したくない≫ と歌ってらしたので、ふたりの間にはもう会話がなくなっていて、話したくないから別れたんだとちっちゃい頃から思っていたんですが、彼が歌ってるのは、「ふたりが別れた理由は、他人には話したくない」って意味なんですよね、たぶん。最近(ていうか今年)気付きました。わたしは文脈を読み取らず、一部分だけを切り取って理解するいちばんよくないタイプです。

 

9月にドレスコーズ味園ユニバースに来てくれたとき、ライブがはじまるまえ、たぶん味園が用意したBGMで昭和の歌謡曲が流れてて、“また逢う日まで” も流れたんですよ。すごくよかったなあ、あれ。

ドレスコーズ、また味園ユニバースに来てほしい。

そんな、2018年。ありがとう2018年。

来年も、いっぱいいいライブと演劇が観られますように。

来年5月1日にリリースされるドレスコーズのアルバムが、いいアルバムになりますように。いいツアーになりますように。(Bon Voyage !!)

いい年になりますように。

わたしのまわりの狭い世界の人たちがしあわせに過ごせますように。

 

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ぼくだけの Mary Lou

 

このツアーがはじまる少しまえ、家で飼っていたシャム猫が逝った。

 

彼女がやってきたのは、わたしがまだ学生だった頃の七夕の日。

大学から帰ると、家に仔猫がいた。

 

猫アレルギーの娘(わたし)がいて、当時我が家では小鳥も飼っていたのに、突然猫を飼うことになったのは、母が昔実家で飼っていたシャム猫とそっくりな彼女に、その日出会ってしまったから。

 

はじめての猫との生活は、なかなか苦労が絶えなかった。

気の強い彼女は、案の定小鳥を狙い、それを止めるため、引っ掻き傷で血まみれになるわたし。毎晩発作で苦しんで、約1ヶ月のショック療法の末、猫アレルギーだけは克服した。

 

 

母は彼女にも、実家で飼っていたシャム猫と同じ名前をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の名は、メリー・ルー。

 

 

 

 

 

 

8年前の今ぐらいの季節に、ラジオから彼女の名前が聴こえてきた。

 

その歌声は、しま。

いちばん好きなバンドの新作が、彼女と同じ名前だったのだ。

 

メジャーファーストシングルで、当時所属していたレコード会社・日本コロムビアの100周年記念、しま念願のコロちゃんパック仕様。

毛皮のマリーズにとって特別なシングル『メリー・ルー』は、わたしにとっても特別すぎる作品になった。

 

 

 

今年、年が明けた頃から彼女の体力はだんだん衰えていって、週に2回点滴を打ちに通院している状態だった。

チケットは全公演おさえていたものの、そんな体調の彼女をおいて本当に旅に出るかどうか悩んでいた。

 

しかし夏を待たずに、4月の終わり、彼女はひとりで旅立ってしまった。

 

 

七夕の日、大学から帰ると、家にいた彼女。 

突然やってきた彼女との、別れもまた突然だった。

 

仕事から家に帰ってくると、メリー・ルーはベッドの上にいた。

もう、息はしていない。

 

彼女との生活は、はじめうちは困惑したけれど、彼女はわたしのしょーもない10年間、ずっとそばにいてくれて、たいせつな存在になっていた。

 

 

彼女が亡くなった次の日もずっと、お別れをする時間までふたりでいて、

最後に、ベッドで眠るメリー・ルーをスケッチブックに遺した。

 

 

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ベットに残っていた彼女の毛を1本、いつもつけているお守りのペンダントにしまって、はじめて彼女と出かけた旅が、“PLAY TOUR” だった。

 

 

そして、彼女と観ていたステージで、“Mary Lou” が演奏されたのだ。

 

毛皮のマリーズのラストライブ以来、ドレスコーズでは、はじめて演奏される “Mary Lou” 。

 

このタイミングでこの曲を歌うなんて……。

しまが「メリー・ルー」と呼びかけるたびに、涙があふれた。

 

毎晩しまは(彼女の身体と同じくらいの)バラの花束をいとおしそうに抱えて、“Mary Lou” を歌う。

 

この曲が歌われているときだけは、しまの声も演技も、美しいメロディも、ベガーズクインテットの演奏もこの空間も…… 、この音楽のすべては、わたしとメリー・ルーだけのもの。

 

わたしの “PLAY TOUR” は、彼女への祈りを捧げるための旅、“PRAY TOUR” だった。

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 どのドレスコーズも例外なく、名古屋でのツアー・セミファイナルは、とびっきりロマンチックな夜になる。

 

名古屋の夜も、客席に目を向けることなく、無表情でステージにあらわれたベガーズ・クインテットのメンバーたち。

 

だけど、一度楽器をかまえたメンバーに待ってもらって、ソプラノサックスのリードを交換するケンさんの手つきはやさしく、ていねいで、

“PLAY TOUR” のセミファイナルの “もりたあと(殺人物語)” は、このツアーでいちばん、たいせつに、ゆっくりとはじまった。

 

 

その3日後が、彼女の四十九日だった。

 

わたしはバラの花をたむけて、この旅の最終目的地、海辺のライブハウスに向かう。

 

 

 

しまが “PLAY TOUR” で演じたのは、世紀の大泥棒「マック・ザ・ナイフ」。

  

無数の観客のなかで、自分だけのために歌っているように思わせてくれる人。

 

いくつかの偶然をすべて、運命と信じさせてしまう人。

 

わたしをそんなふうに勘違いさせるロックンローラーは、この世にひとりしかいない。

 

 

真のロックンローラーとは、フアンの心を盗んでしまう『どろぼう』だ。

 

ロックンローラーの本当の価値を数値化するのなら、何枚のレコードを売ったかではなく、何人の心を盗んだかだと思う。

 

 

『どろぼう』を演じるよりずっと前からしまは、すでにわたしの『どろぼう』なのだ。

 

きっと、これからもずっと。

 

 

 

 

2018年10月16日 

ドレスコーズ 映像作品『どろぼう』発売日前夜に。

 

 

the dresscodes TOUR 2018

“dresscodes plays the dresscodes”

2018.06.10.sun 名古屋 CLUB QUATTRO

 

 

 

kingeshop.jp

 

 

『2018年宇宙の旅』(ドレスコーズ×前野健太<ざくろ>ツアーファイナル@味園ユニバース・レポート)

 

 

超大型の台風24号が接近する土曜日の大阪千日前。

昭和な歓楽街を歩きすすむとあらわれる

朱色の大きなビル。

 

 

まだ明るい時間なのに、キャバレーの入り口からはすでに長い列が伸びていて、この辺り人たちも観光客らしき外国人たちもみんな、行列に目をやりながら通りすぎていく。

 

小雨が降り出し、歓楽街にぽん、ぽん……と傘が咲きはじめた頃、いよいよキャバレーが開店。

朱色のビルに行列がぞろぞろと吸い込まれていく。

 

地下へと続く赤いビロードのらせん階段は、異次元への入り口。

 

きらびやかなシャンデリアをくぐると

目の前に広がるのは大理石のダンスフロアとステージ。

それを眺めるように配置された別珍のソファー群。

電飾が輝く樹木に、天空に浮かぶ無数の惑星……

 

たどりついたのは巨大な宇宙空間。

 

そう、ここは……味園ユニバース

 

この非日常な宇宙空間に見惚れて写真に残すお客さんたち。

今夜ここで、あと十数分もすればはじまるショウは、

 

前野健太×ドレスコーズざくろ≫ ツーマンツアー・ファイナル。

 

 

かつて、キャロル、ピンクレディー和田アキ子が出演したという伝説のステージに、ドレスコーズが、志磨遼平が登場する夜がついに来た。

 

 

元老舗キャバレーの味園ユニバースが、ライブ・イベントホールとして営業形態を変えるというウワサを聞いたのは、毛皮のマリーズの解散が発表された2011年のことだった。

解散までに一度でいいから毛皮のマリーズをユニバースのステージで観たかったけど、その夢は叶わなかった。

 

 

ステージには既に、ドレスコーズのバンドセットが準備されている。

ファイナルのトップバッターは、ドレスコーズ

 

客電が落ち、SEが流れる。

ステージにド派手な照明と電飾が灯る。

登場するメンバーのシルエット。

 

EGO-WRAPPIN'、赤犬ザ50回転ズ、キノコホテル、ROLLYさん… 数々のバンドの名演を観た、この味園ユニバースのステージに……

 

 

つ・い・に!!!

 

 

 

ラメ入りの赤いアイシャドウを塗りたくった、おバカな衣装の志磨遼平登場!!!!!!

 

 

だめだ……、出てきた瞬間、どのバンドも越えてしまった……。

 

 

まだ一言も歌っていないのに……

 

 

今まで観た誰よりも、しまがいちばん味園ユニバース似合っている!!!

 

 

 

 

聴こえてくるドラムのリズムに、なつかしいギターの歪み……

 

  

 

 

曲はまさかのー…… “コミック・ジェネレイション” !!

 

 

 

こんなのって、こんなのって……

 

 

 

 

(メジャーデビューした頃の)毛皮のマリーズじゃないかー!!!!!!

 

 

 

突如、2010年へタイムスリップ!!!!

 

 

 

叶わなかった夢が突然叶う。

 

 

演奏、上手くなったね。毛皮のマリーズ(泣)。

バカみたいに音はでかいのは、昔と変わらない。

 

ギター&サックスは福島健一(ケンさん)。

ドラムは高円寺のキース・ムーン、菅大智(スガさま)。

ギターはTHE NOVENBERS から、ケンゴマツモト。

ベイス、有島コレスケ(ぴょんさま)。

 

メンバーみんなの、毛皮のマリーズとMARIES MANIAへの愛を感じる演奏に、1曲目から泣いてる…… 。

 

 

 

そして2曲目は、 “もあ”ーー!!!

 

アップテンポでのっけからたたみかけてくる!!!

 

しかも『オーディション』からの選曲!!!

 

 

マリーズでも、ドレスコーズでも、しまはユニバースが似合う……(泣)。

 

 

 

 “贅沢とユーモア” もやっちゃえばいいのに。

 

≪贅沢とユーモアで すぎさる時間 この街に嵐が吹くのも知らないで≫ 

 

なんて歌詞も、(台風24号が接近中の)今夜の気分にピッタリなのに!

 

 

 

そして今回のツアーで特筆すべき点は、まず、

ケンゴマツモト(from THE NOVEMBERS)のギターがエロい。(←ほめてる)

 

ドレスコーズ史上ぶっちぎりでいちばんエロい。(←ほめてる)

 

もう、顔がエロい。(←ほめてる)

 

 

そんな本日のドレスコーズ

 

f:id:madorigirl:20180930231558j:image(↑ 写真はしまのツイッターから拝借。撮影は森好弘さん。)

 

 

 

“Ghost” で客席はその名の通り、ダンスホールと化した。

 

 

……あのウワサの、味園ビルのエレベーターのゴーストもここでいっしょに踊ってたりして。

 

なんちって。

 

楽屋で女抱いてきたのかなってぐらいエロいギター(←ほめてる)で、ガンガン踊り狂うお客さんたち(味園ビルのゴースト)。

 

ケンゴマツモトのギターのエロさは外人レベル(←ほめてる)。

 

高円寺のキース・ムーン(スガさま)に、ぴょんさまのベイス、そしてケンさんのサックス&ギター。

 

バンドの編成がほぼジャパンツアーのローリング・ストーンズ

 

スーツのジャケットを脱いだしまのシャツは、まさかのフリンジ付き。長い手足、髪をくしゅくしゅしながらステージを駆け回って歌う姿は、完全に外タレ。ボビーというより、ミック・ジャガーやん。

 

 

ここは70年代後半の味園ユニバース。わたしはドレスコーズという海外バンドの来日ライブを観にタイムスリップしてきました(そんな気分。)

 

 

 

 

100年でも待つから、いつか戻っておいで!

 

という歌詞も、今夜はSF映画のラブシーンのようだわ…… 。

なんて素敵なセリフなの…… 。

 

 

 

高円寺のキース・ムーンのスガさまによる、スガさまの名刺代わりの “ゴッホ”。

なつかしさも感じないぐらいしっくりきていて気が付かなかったけど、スガさまのドラムとしまのラップのツーショットは、オリジナル・ドレスコーズ最後の、あの豪雨のステージ以来だ。

 

そうか、わたしはひさしぶりにドレスコーズのステージでスガさまのドラムを聴くのか。

 

オリジナル・ドレスコーズの曲は、丸山康太山中治雄菅大智の演奏で脳内にインプットされているから、ほかのミュージシャンが演奏するのを聴くとそれはそれでまたちがって聴こえておもしろいし、名曲だから毎回素晴らしいと思う。

 

でも今日は毛皮のマリーズや、しまぼっち期以降のドレスコーズの楽曲が、スガさまのドラムでこんなにちがって聴こえることにびっくりしているし、

いちばん好きなドラマーの演奏で好きな曲を、しかも味園ユニバースで聴けるなんて、やはりエモい

 

 

スガさまのバスドラとコーラスではじまる “ザ・フール” なんかもそうだ。 

ぼっちのバカな人の歌だけど、なんて美しくてやさしい音楽なんだろう。

 

ユニバースで聴くとまるで、極楽浄土にいるみたいだ。

 

味園ビルのゴースト、成仏できたかな。

 

 

 

 

そして、このツアーの “ハーベスト” がとてもいい。

 

ざくろ≫ の花言葉は「成熟した美しさ」。

実ったね 的な名曲 “ハーベスト” は、このツアーにぴったりじゃないか。

 

 

2013年『バンド・デシネ』のレコ発ツアー(KICKS TOUR)のあと、しまがブログ(『日本語のドレスコード』)に、セミファイナルの大阪公演に「両親が来ていた。」と書いてあったのを読んで、

ご両親の前で、自分のバンドでこんな歌を歌うなんて素敵だな。なんか結婚式みたいだな。いい息子だな。と思ったおぼえがある。

 

今日もソファー席に、観にいらしているご両親の姿があった。

 

 

そんな “ハーベスト” のギターソロも例外なく、エロい。

 

ケンゴマツモトの宿泊先のホテルで裸のブリジッド・バルドーがベッドに寝そべって待っていそうなくらいエロい。(←ほめてる)

 

エロいけど、めちゃめちゃ愛があるケンゴマツモトのギター。

 

この曲のギターソロを弾いたケンゴマツモトの名は、わたしが好きな “ハーベスト” の歌詞へと化した。

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いいなあ、結婚式。

 

いつか結婚するなら味園ユニバースで結婚式を挙げたいなあなんてずっとあこがれているけど、もしそうなったら自分の式で “ハーベスト” を聴きたい。(予定はない。

 

 

『バンド・デシネ』は人生の節目や、たいせつなシーンに聴きたい曲ばかりだ。

 

わたしが人生の最後に聴きたいのは “シネマ・シネマ・シネマ” の丸山康太のギターソロだし、葬式でも “シネマ・シネマ・シネマ” を流してほしい。それははじめて聴いたときから今もずっと変わらない。

 

それに、どれだけのキッズが、“ゴッホ” や “トートロジー” に勇気づけられただろうか。

 

オリジナル・ドレスコーズが遺した『バンド・デシネ』とは、そういうアルバムなのだ。

 

 

そして、《きみは とても きれいだよ》と歌うきみがきれいだよ、しま。といつも思う。

 

 

 

 

わたしは前日の名古屋ではじめて前野健太という人の歌を聴いた。

前野くんの歌も、彼のバンドの演奏もすごくて、ドレスコーズでは観ることができないステージだと思う。

前野くんにも、ドレスコーズみたいなステージはできないと思う。

それぞれが持っている魅力はちがう。

(だから観に来ているお客さんは見た感じ、どちらのフアンなのかなんとなく区別がつく。)

 

でも、“あん・はっぴいえんど” を聴くと、ふたりは似てるなあ、とも思う。

 

≪歌は道づれ≫ なところとか。

かっこいいところもかっこわるいところも全部お客さんに見せて歌うところとか。

ふたりとも俳優も経験しているし、文筆家という肩書もあるけど、音楽がなかったらダメな人だろうな、音楽があったから見つけてもらえたんだろうなと思うところは共通している。

 

 

 

ドレスコーズが演奏する “ビューティフル” は、演奏されるたびにいつもちがった気分にさせられる。

それはMARIES MANIA にとって特別すぎる曲だから。

 

でも今夜の “ビューティフル” は、「そのまま」だった。

歌っているのはドレスコーズのしまで、演奏しているのは毛皮のマリーズではない。

でもスガさまのドラムでそれは、タイムカプセルをあけたようによみがえる。

 

歳をとっても、何年たっても、青春の美しさは永遠。 

 

たいせつな曲がどんどん増えていっても、あの甘い季節は毛皮のマリーズとわたしたちだけの宝物だ。

 

 

 

“ビューティフル” に続いては、“愛に気を付けてね” で、もう今日はしまのベストアルバムみたいなセットリスト。

 

towaie…… “愛に気をつけてね” をライブで聴くのはひさしぶりだ。

たしか、去年の11月26日の「ドレスコーズ with B」以来。1年ぶりか。

 

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髪のびたね、しま。

ホントいつもいい仲間に恵まれているよなあ、この人。

 

わたしに毛皮のマリーズをおしえてくれたのは、THE BAWDIES だった。

(くわしくは前回のブログをドウゾ→味園ビルに恋して。 - 音楽とコーヒーと旅と建築

 

 

そんな “愛に気をつけてね” で、

味園ユニバースは全電力を使う。

 

(あの台風21号の影響による停電を、電気のありがたさを、今は完全に忘れている大阪。)

 

ステージとステージサイドの全電飾ギラギラ。

 

ダンスフロアの全惑星(中は蛍光灯)点灯&ぐるぐる。

 

全ミラーボール点灯&ぐるぐる。

 

お客さんはガンガン(踊る)。

 

このゴージャス空間のどこから観ても、しまはユニバースが似合う。

 

前で観たいから、ドレスコーズのライブに行くといつも、入場してからライブが終わるまでずっとステージ前をじっと動かずに過ごすけれど、

 

今日は、じっとしていられない……!

 

しまのライブをこんなふうに、お酒を飲みながら、自由に踊りながら観るのははじめてかもしれない。

 

まるで、味園ビルに通っていたあの頃みたい!

 

(くわしくは前回のブログ参照→味園ビルに恋して。 - 音楽とコーヒーと旅と建築

 

 

エモい。

 

 

エモいかエロいしか言ってないな、このブログ。

 

 

 

 

 

ざくろ≫ ツアー、ドレスコーズ最後の曲は、

 

しまがひとりで、アコースティックギターとハーモニカで静かに歌いはじめる“晩年”

 

 

前日の名古屋でも、先週の磔磔でも気が付かなかったのに、突然、

毛皮のマリーズ『Restoration Tour 2010』磔磔公演で “晩年” を歌うしまがフラッシュバックする。

 

周りが民家のため、21時までに音を止めないといけない磔磔

 

アンコールの後、もう一度ひとりでステージに戻ってきたしまは、マイクも通さずに生音のアコースティックギター1本で “晩年” を歌ったのだった。

 

若いバンドの、しかもメジャーデビューのレコ発なのに、ひとりぼっちで歌うしま。

 

その不思議な光景が目と耳に焼き付いているのは、ひどくいい歌だったから。

 

 

≪でもぼくは どうしても 人を憎む事ができない

 だからずっと 自分を憎んで立っていよう ≫

 

 

あの頃も今も、志磨遼平ってそういう人。

 

バンドが変わっても、世界がどう変わっても、きっとそれは変わらない。

 

 

時空を超えてやってきた8年前の磔磔のしまが今日のしまと、ユニバースのステージでまさかの共演。(※わたしの脳内の話です。)

 

 

今日は、ひとりぼっちじゃない。

ふたりのしまが歌う “晩年” を、外タレドレスコーズの壮大な演奏でさらにバックアップ。

 

…… 宇宙ってすごい。

 

 

いや、名曲はカンタンに時空を超えるのだ。

 

 

いくつもの名場面で魅了し、ほぼSF体験ドレスコーズのステージは幕を閉じた。

 

 

 

 

ゴージャスなトイレ(壁も床も大理石!)で化粧をなおしていると、トリの前野健太&ビッチボーイズのステージが聴こえてきた。

 

バーカウンターに寄ってダンスフロアに戻ると、前方にドリンクを持ったぴょんさま。そのさらに前方では「日本一エッチなギタリスト」(てしまがメンバー紹介してた)もジム・オルークさんの演奏に観入っている。

 

さっきまでステージで演奏していたバンドマンが、同じ客席でライブを観ている。

 

対バンイベントのこういうところもすごく好きだし、なんかひさしぶりだ。

 

 

 

前野健太&ビッチボーイズのステージが終わるとすぐに、前野くんがまた出てきて、しまをステージに呼びこむ。

 

アンコールでは、ツアー初日の本番5分前に完成したという、前野くんが作詞、しまが作曲の新曲 “男と女(仮)” をふたりで披露するのだけど、今日は曲がはじまるまでが長い……。(ずっと前野くんが、男と男についてと、しまとぴょんさまのBL話(妄想)について延々と話している。)

 

ケンさんとケンゴマツモトが、まだ曲がはじまってないのに急に客席から裏に戻っていった。あとで石橋英子さんとぴょんさまのツイートで判明したけど、このときとっくにアンコール終了予定時刻を過ぎていたようだ。

 

20分以上しゃべってようやく、“男と女(仮)” を歌う気になった前野くん。

『ぼくらの音楽』の椎名林檎向井秀徳みたいに(しま談)、ふたり向い合って歌う。

(This is 向井秀徳なだけに。これな。↓)

www.youtube.com

 

メールでしまに好きな言葉を聞いて前野くん書いたという歌詞がとてもいい。

新宿とか、カフェテラスとか、スマホとか、進化とか、退化とか、泳ぐ、とか…… 登場する生物は小鳥ではなく魚。(よかった。)

 

しまが書いた曲も、しまの今までのどの曲にも似てないし、成熟していて、せつない。

なんか懐かしいけど、あたらしい。今この時代をよく映しているいい曲。

今ここでジャケット撮ってシングルにすればいいのにってぐらい、このツアーにぴったりで、味園ユニバースに似合っている。

 

前野くんは、≪男と女なんて、もう古いかな しまさん。≫ と歌うけど、しまは「前野くん」とはつけて歌わない。

 

仲がいいのかどうかよくわからない、独特の関係性のふたり。

 

ダブルアンコールでは、客席からお題の言葉を募って、即興のセッションで歌う。

しまが曲を作っているところをはじめて見る。

目には見えないけど、ふたりの濃密なエネルギーのやりとりをビシバシ感じる。

きっと今、しまの脳細胞はビュンビュン活性化していて、すごいことになっている。

『君の脳内をみたい』

 

 

ダブルアンコールのあとも、何度も前野くんに連れ出されて出てくるしま。

もう、何回出てきたかわからない。

そのたびにふたりで即興の歌を歌う。

ほぼむちゃぶり。これ、最終的にどうやっておさめるつもりなんやろう…… 

 

しまがドラム(8ビート)で、前野くんがギターと歌のバージョンもあった。

 

 

結局このツアーの最後に演奏されたのは、即興ではなく、しまが歌う “スーパー、スーパーサッド” だった。(前野くんがドラム。)

 

ひとりぼっちの歌でツアーをしめくくるしま。

ザ・フール” にしても、“晩年” にしても、このツアーでしまはよく、ひとりぼっちの男の歌を歌っていた。

 

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前野健太と志磨遼平。

 

ふたりとも言葉の人。

ふたりとも音楽にすべてを捧げて、ひとりで芸術と向き合う人。

 

今までドレスコーズが対バンしてきたバンドとはちがった意味で似ているふたりの旅 ≪ざくろ≫ ツアーでは、お互い相手のそういった本質的なところを見て、刺激を受け合い、影響を与えあっているのだろうか。

 

だから、今までのツーマン・ライブを観ていたときとは全くちがう気分なのかな。

 

いろんな時代の名場面を見てきたけど、今は2018年で、『平凡』と『三文オペラ』、そしてあのすばらしい「PLAY TOUR」を経たここがしまの現在地なのだ。

(……ってPLAY TOUR のファイナルでも思ったわ。PLAY TOUR のレポはやく書こう……)

 

ふたりのとてもいい旅が観れたのも、このタイミングで前野くんがしまを旅に誘ってくれたのも、きっとお星さまのめぐり合わせだと思う✨✨

f:id:madorigirl:20180930232313j:image(↑ 写真はしまのツイッターから拝借。撮影はたぶんしま。) 

 

 

(おしまい)

 

 

磔磔のレポートはこちら。↓

京都磔磔における室内楽のドレスコーズ - ドレス・喫茶・建築