京都磔磔における室内楽のドレスコーズ

2014年4月1日 『京都磔磔における初期のドレスコーズ』以来の、磔磔でのドレスコーズのライブ。

しかし、4年前とはしま以外全くメンバーがちがう

今日は京都在住の音楽家によるバイオリン、チェロ、ギター、ドラムという、はじめて観る編成のドレスコーズだ。

磔磔でバイオリンとチェロを聴くのも、わたしは人生初。

 

対バンは、ギリシャラブとキツネの嫁入り

トップバッターのギリシャラブが終わる頃、ドレスコーズのいつものカメラマン2名が準備を始めたので、2番目の登場と勘づく。

映像カメラマン(日本代表GK川島似)は、『カメラを止めるな!』の「ONE CUT OF THE DEAD」Tシャツを着ている。

 

ギリシャラブのステージ終了後、楽器を片付けたメンバーが客席の袖を退場していくたびにお客さんから拍手が起こる。磔磔の対バンライブってこんな感じだったっけか? 今まで経験したことのない、あたたかいイベント。お客さんがあたたかい。

今までギスギスした緊張感のある対バンのイベントにしか行ったことがないかもしれん。(過去にドレスコーズ主催の対バンイベントは「VS SERIES」と銘打っていたくらいだし。)

 

バイオリンやチェロをかかえたメンバーがステージに移動し、いよいよドレスコーズの出番。

しまは、“贅沢とユーモア” の MV で着ていたシャーツで登場して、「こんばんは、ドレスコーズです。」と一言。

今日のイベントのチラシには「志磨遼平(ドレスコーズ)」と表記されていたが、しまはあくまでドレスコーズ、バンドとして出演しているつもりの印象。こちらもそのつもりで観ている。

 

1曲目 “嵐の季節(はじめに)” のイントロを聴いただけで贅沢な気分になる。

バイオリン、チェロ、エレキギターという斬新な弦楽三重奏の音の重なりが、めちゃくちゃかっこいい!イイ!すごい!もっとほめたいけど言葉が見つからない。)

そして、ギリシャラブ・山岡錬さんが弾く“嵐の季節” のギターソロめちゃめちゃよくないですか? さっきのギリシャラブのステージより、ドレスコーズのギターのほうがイイと思う!!(すみません。)

磔磔はひさしぶりなこととか、磔磔の神様の話とか、フロアのど真ん中にある柱(磔磔は木造2階建の元酒蔵だから真ん中に大黒柱がある)がキライじゃないこととか、今日のこの編成に至った経緯とかを話していたけど、ここのMCではわりと何言っても客席はシーン…… と静まりかえっていて、さっきのあたたかい雰囲気とは打って変わり、ただよう緊張感があった。

 

2曲目 “Lily” のときに、今日はこの編成で聴くワケだから、今日聴くドレスコーズの全曲が、はじめて聴くバージョンだということに気付く(←遅い)。

もちろん今日のセット全曲がよく知っている曲だし、特に好きな曲ばかりだけど、ぜんぶ新曲に聴こえる。

しまは “Lily” を「ひとりになった心境を歌った曲です。」と紹介していたけど、バイオリンとチェロが入ると、ぼっちしまを包み込むようなやさしいメロディーが、もっとやさしく聴こえる。

さっきはシーン……としていた客席が、“Lily” 効果なのか、MCがウケてきた。MCというか、今日は漫談をまじえて曲を進めるスタイルらしい。

ただ、しま声ちっちぇ!! (←4年前とちがうところその2) 

ぼそぼそしゃべるしまの声は、フロアのいちばん後ろで観てると、2階の楽屋? からコトコトきこえる足音のほうがでかくてところどころ聞こえない…… 室内楽だけに、完全に部屋にいる想定のボリュームで漫談をするしま。でも確実に客席から笑いをとっている。気になる。いつか今日の漫談集、カセットテープかなんかで出してください。

 

イガキアキコさんのバイオリンではじまる、バイオリンのための “星の王子さま”。

3拍子の曲が好きだ。いつどこでどんな演奏で聴いてもすばらしいのが名曲だけど、バイオリンのためのこの名曲を、バイオリンの生演奏で聴けることなんて、たぶん数回しかないだろう。

毛皮のマリーズ『ティン・パン・アレイ』リリース時のプロモーションで、しまがFM802に出演していたときに “星の王子さま(バイオリンのための)” をリクエストしたら、この曲は数分で完成したこと、名曲は割と数分でできることが多いということを、ラジオで話してくれたのを思い出した。

 

ここのMCでもまた漫談が聞こえづらい。(2階で何をやっているのだろうか……)

なんか途中、しまが「音楽って、すごいですね。」とか言ってるのは聞こえて耳を疑った。

しまどうした? 気になる。

 

 

今日の “ダンデライオン” は、バイオリンの前奏の前にたっぷり中川さんのチェロが聴けるバージョン。

前奏のときしまの姿が見えなかったのは、しまもおふたりのソロをしゃがんで、じっくり聴き入っていたのだと思う。

バイオリンとチェロのあとに入ってくる錬さんのアコースティックギターがまたイイ!

西くんとぴょんさまが弾く“ダンデライオン” より好きだ。(すみません。)

わたしのすごく好きなところで、「歌詞をまちがえたよ~♪ フフフ~ン♪」と間違えた申告をメロデイーにのせて歌うしま。今年のPLAY TOUR で “ダンデライオン” の歌詞をまちがえてたらどえらいことになっていたけど、今日のお客さんはあたたかい

 

ほぼYOSHIKIと同じ経歴をもつドラマーの樋口さんがピアノに座り変えて、バラードバージョンの “Trash”。

樋口さんのピアノとしまが吹くハーモニカの前奏に聴き入っていたのに、歌い出してすぐのところでまたしまがまちがえて、「すんません、もっかいやらしてもらっていいスか?」と曲を止める。でも、お客さんはあたたかい。前奏、2回聴けてよかったス。

歌詞を、セリフのようにささやくしま。今日の “Trash” は、この1曲だけ聴いても、オペラを観ているみたいだった。

 

今日のメンバー紹介は、1曲につき、おひとりずつ紹介するこれまた漫談スタイルだった。ステージ終盤、もう一度メンバー紹介をするときにイガキアキコさんを「バイオリン、樋口さん。」と紹介……(樋口さんはYOSHIKIの経歴のドラマーである。)でもやはり、お客さんはあたたかい

 

 

毛皮のマリーズがメジャーデビューしたツアー(『Restoration Tour 2010』おとぎ話、Qomolangma Tomato と対バン)以来、8年ぶりに磔磔で聴く“ビューティフル”。今日最後の曲だ。

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↑ 2010年6月13日『Restoration Tour 2010』@京都磔磔 当日のしま(イノダコーヒ三条本店前)

 

近い将来、毛皮のマリーズが解散して、チョモの山中治雄がしまとドレスコーズを結成して、その2年半後ドレスコーズからしま以外のメンバー全員が脱退して、しまぼっちのドレスコーズになって、そのあとおとぎ話がドレスコーズのメンバーとしてしまと一緒にツアーまわるとか、つまり、8年前のあの日磔磔にいたほとんどのバンドマンとしまはバンドを結成しているという事実も、あのとき磔磔にいた誰ひとり想像できなかっただろうな。

磔磔の神様はわかってたのかな。

 

あの日のわたしが、今日の “ビューティフル” を聴いたら、(しまなにまるくなってんだよ!もっときゃんきゃん言えよ!)って思うかな。

キリスト教徒のような仕草で柱に向かってお祈りをしながら “ビューティフル” を歌う今日のしま。なんか、8年でいろいろありすぎて悟りをひらいているようにも見えたし(スピリチュアル発言連発したせいかもしれんけど)、磔磔の神様がキリスト教なのかどうかは置いといて、10年前の人生複雑骨折してドラマ型統合失調症のしまが(←それは今も治ってないと思うけど)書いたこの曲が、歌い続けられることで楽曲事態も成長し、重みを増しているように今日のわたしは感じている。

昨夜のスタジオではじめて対面したはずの5人の音楽家による短いステージは、わたしがはじめて磔磔でしまを観た日から8年あまりの様々な出来事が帰結して起こった奇跡のようにも思えた。

今日磔磔の小さな室内で、しまの長年の夢だった旅先の音楽家と演奏すること、小編成の室内楽風のアンサンブルで歌うことの2つが同時にかなったこと、そして特別な奇跡を観ることができたのは、音楽を続けてきたしまと、しまを見つけてずっと観てきたわたしたちへの、磔磔の神様からのご褒美だったような気がする。(←しまのスピリチュアルがうつった。)

今日磔磔で経験したことも、8年前の毛皮のマリーズ、4年前の『京都磔磔における初期のドレスコーズ』のように、一生忘れないんだろうな。

 

そして奇跡のステージを終えたしまが、お客さんのあたたかい拍手のなか退場していったあと、「ONE CUT OF THE DEAD」Tシャツを着た川島似のカメラマンが、フロア後方に設置していたカメラを止めた!!!

 

 

ライブのあと秋の京都の夜道を歩いていると、“ビューティフル” の西くんのギターが聴きたくなった。

毎年秋がはじまる頃に、西くんのギターが聴きたくなるのはなぜだろう。

 

(おしまい)