わたしがピーター・アイヴァースを知ったのは、7年前のこのツイートだった。
2015年6月15日12:59 のツイート
人生で一度だけ、数日間食べ物が喉を通らなくて寝込んでしまうくらい落ち込む出来事があって(でも自業自得だった)、寝込んでいたときに見たツイートだったから、ずっと目に焼き付いている。
“ピーター・アイヴァース” が曲のタイトルになったのは、それから4年後のことだった。
ちょうど東京に遊びに来ていた日に、映画『音楽』の主題歌に決定したというニュースがあった。このときはそれがまだどんな曲かは知らなかった。
『音楽』主題歌にドレスコーズ「ピーター・アイヴァース」が決定!
— アニメ映画『音楽』公式 🎸 (@eiga_ongaku) 2019年10月19日
「バンド「古武術」のためのような、研二と亜矢のためのような、自分ひとりのためのような、この映画に関わったすべての皆さんのためのような、そういった思いで曲をしたためました」(ドレスコーズ 志磨遼平さん)
▼全文はこちら▼ pic.twitter.com/1vZetGFgQ7
そして同じ日にもうひとつニュースがあって、11月8日のあがた森魚さんの「第三惑星の一夜」に出演するというお知らせだった。
“ピーター・アイヴァース” は、あがたさんとの La.mama でのライブで初披露された。
【ライブ出演】ぼくの憧れの大先生、あがた森魚さんの「第三惑星の一夜」にお誘いいただきました。我々ドレスコーズはもちろんバンド形態での出演です。
— 志磨遼平(ドレスコーズ) (@thedresscodes) 2019年10月19日
日時は11月8日(金)、場所は渋谷La.mama。考えるだけでもう胸がいっぱいです。乞うご期待。 https://t.co/jELxPGebE6
あがたさんとしま
ドレスコーズの “ピーター・アイヴァース” は、コロナ禍のはじまりとともにあった。
大阪で映画『音楽』が公開されたのは、2月の終わりだった。
定時で仕事を終えて、軽く食事を済ませてから大阪初日の最終回で観ようとチケットを予約をしていたが、その日は翌週から急遽はじまることになったコロナ対策の時差通勤の打合せで遅くなり、結局会社からタクシーで、なんとか上映時間に間に合ったのだった。
映画「音楽」すごかった。美術音楽文学演技テクノロジーのいいとこどりで、総合芸術ってかんじ。あと、手描きの迫力を思い知った。図面もアニメーションもグラフィックもほぼほぼデジタルの時代だけど、やっぱり手描きっていいなあ… pic.twitter.com/5nAYO4pdyp
— 235 (@235s) 2020年2月21日
去年の4月7日にアルバム『バイエル』がリリースされてからは、一日のはじまりにかならず “ピーター・アイヴァース” を聴いている。
わたしの東京での生活は『バイエル』とともにある。
《バイエル(変奏)》ツアー中にテレビで放送されたふたつのドレスコーズによる “ピーター・アイヴァース” は、ふたつのパラレルワールドを観ているみたいだった。
コロナ禍以前に録音されたレコーディングメンバーであるリンダ&マーヤとの “ピーター・アイヴァース” と、
コロナ禍中での《バイエル(変奏)》ツアーの公募メンバーによるドレスコーズ。
2021年6月27日放送「Love Music」でのドレスコーズ
2021年7月4日放送 NHK「シブヤノオト」生ライブでのドレスコーズ
それから約1年後、7月8日の恵比寿リキッドルームでのライブ。
7月8日のライブでしまは、“ピーター・アイヴァース” のあの部分を歌わなかった。
あのときのしまの顔をわたしは一生忘れられないと思う。
あがたさんとのあの夜の1曲目ではじめて聴いたときから(初披露で歌いながら力余って自分の拳で自分の肋骨を折ってたっけ)、なんとなく特別な曲だと感じていたけれど、この曲にはきっとこれからも色んな想いが蓄積されていくのだと思う。
そんなわたしの “ピーター・アイヴァース”。