20年以上ずっと好きな人のこと。

 

斎藤工さん。

いまや、俳優・映画監督・歌手・クリエイターとして大人気の人。

 

わたしがこの人を見つけたのは、高校生の頃だった。

エムシーシスター(mc Sister)というファッション誌を見ていたとき、「彼とのお散歩ファッション❤︎」みたいな記事の彼氏役が、当時 TAKUMI 名義でモデル活動をしていた斎藤工だった。

 

モデルのTAKUMIに一目惚れした理由は、当時好きだった同じクラスのM野くんに似ていたからだった。TAKUMI を見つけたのはM野くんに人生初の告白をしてハートブレイクした直後だったと思う。

高校の友達には、TAKUMI とM野くん「全然似てへんやろ」と言われたが、当時のわたしの目には、TAKUMI とM野くんは全く同じ顔に見えていた。

GW に帰省したとき、高校の卒アルでM野くんの顔を確認してみたが、今見るとM野くんとTAKUMI 全く似ていないと思う。

恋は盲目。ラヴ・イズ・ブラインド。

すごくいいコではあったけど、ロクにしゃべったことのないM野くんのことをなんで好きになったんやろうか。

10代の頃の恋なんて、たぶんそんなもん。

部活終わりにみんなでM野くんのバイトしてたマクドに行ったりしたなあ……。

「ほら見て! M野くんが入れたポテト🍟めっちゃ真っ直ぐに入ってるのスゴない???」とか力説したなあ……。(遠い目)

 

M野くんの話になってしまった。

閑話休題。)

 

そんなこんなで、モデルのTAKUMI をめっちゃ好きになり、当時のメンズファッション誌を読み漁っていた。

当時のメンズ誌は、井浦新(モデル名義:ARATA)や、伊勢谷友介村田充(モデル名義:MITSUU)が、モデルとして活躍していて、今思えばすごい時代だった。でもTAKUMI がダントツで M野くんに似てるしカッコいいと思ってた。

何にしても好きになると、その魅力を周囲に言いまくる性分なので、クラスの男子がTAKUMI が載っているメンズ誌を教えてくれたり、環状線の車内に吊られていた大丸のメンズフロアとか、UNIQLOジーンズとか、TAKUMI がモデルをしている吊広告を駅員さんにもらって来てくれたりした。UNIQLO を知ったのはTAKUMI がモデルしてた吊広告だった。

今でも実家には、モデル時代のTAKUMIの、メンズ・ノンノとか、smart とか FINE BOYS とかHOT DOG とかのメンズ誌の切り抜きや、吊広告やポスターがいっぱいある。

 

そんなにもモデルとして大活躍していたTAKUMI が、急にメンズ誌に出なくなった。

M野くんに続いての、TAKUMI への恋の終わりは突然やってきた…… と思っていたが、今思えばあの頃からTAKUMI はバックパッカーとして世界中を旅していたみたいだ。バックパッカーをしながらパリコレに出演していたのも後から知った。

 

TAKUMI が日本のメンズ誌から姿を消したあと、唯一持っていた TAKUMI の短いインタビュー記事を何度も読み返した。

サッカーをやっていたから太ももが筋肉で太くて衣装のボトムスのサイズが合わないことがあること。

映画が好きで、将来は映画を作る仕事をしたいこと。そのために俳優も経験したいし、いつかは映画監督として作品を作りたいということが書かれていた。

休日は1000円で映画3本観られる映画館に通ったりしていたそうで、わたしもTAKUMI のマネをして、大阪でそういうところを探して新世界のおしっこのにおいのする映画館で3本映画を観たりした。

 

 

数年後、TAKUMI を再び見つけたのは、大学の近くのTSUTAYA だった。

『時の香り リメンバー・ミー』という映画のDVD のジャケットにTAKUMI の姿があった。

TAKUMI ではなく、斎藤工名義で俳優として初出演した映画作品だった。

静止画のモデルとしての TAKUMI しか見たことがなかったけど、その映画ではじめて動くTAKUMI を見て、TAKUMI の声をはじめて聴いた。想像していたよりも低い声だった。

斎藤工」で検索したら、『海猿』などいくつかの作品に俳優として出演しているようだった。

あのインタビューで言ってたことをちゃんと実現させてて、俳優として映画に出てて、すごいなあと思ったし、突然の再会(一方的な)に本当に驚いた。SNS もなかった頃だから、思わず所属事務所にファンメールを送ってしまった。

 

それから、斎藤工のオフィシャルサイトの情報をチェックしたり、ブログ「斎藤工務店」を読みながら応援していた。

斎藤工務店で、最近聴いている音楽として、毛皮のマリーズのメジャー1st 『毛皮のマリーズ』が紹介されていたこともあった。

しかもその翌年には、コロムビアからメジャーデビューして、TAKUMI が毛皮のマリーズの後輩になった。(しまとTAKUMI は同学年。)

 

どんどん俳優として活躍するようになった TAKUMI に高校時代の友達も「TAKUMI 俳優になってない????」と気付きはじめて、ドラマ『昼顔』の放送が始まった頃には、みんなから「235が好きになった人みんなブレイクするのすごいよな。斉藤和義とか、THE BAWDIES もMステ出てたし、235 に教えてもらった人みんなめっちゃ売れるやん。」ってよく言われた。

そう言われるのはうれしいけど、斉藤和義THE BAWDIES も、世間で言うブレイクの前もあとも音楽への向き合い方は変わらないし、その法則が成立するとすれば、わたしのいちばん好きな人はもうすぐひとりで外を歩けないぐらいどえらいことになると思う。

TAKUMI も斎藤工も言ってることは変わらない。ずっと映画が好きで、映画を作っている。

これからもずっと応援するし、次の休日には、彼の主演最新作『シン・ウルトラマン』を観に行こうと思う。

 

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モデル時代のTAKUMI