ロックンロール前夜、関西クラブシーンの記憶。

 

これは私が志磨遼平と出会う前の関西クラブシーンの記憶、

或いは『ジャズ』9曲目 “プロメテウスのばか” のレビューです。

 

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あの夜、あの頃の関西クラブシーンで活躍していたあのバンドと出会わなければ、

私は毛皮のマリーズとも出会えていなかった。

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関西クラブシーンがいちばん華やかでおもしろかったのは、90年代後半からゼロ年代前半で、私はその時代にギリギリ間に合った世代だと思う。

 

「PARTY TOUR」のドラム・木村創生さんのオーサカ=モノレールも、EGO-WRAPPIN' も、BLACK BOTTOM BRASS BAND もカルメラも、もともとは関西のクラブシーンで活躍していた人たち。

 

私は、中・高と吹奏楽部でサックスを吹いていたので、管楽器が入ったカッコいい音楽を探して、クラブシーンにたどり着いたのだと思う。

当時はBBBBが阪急百貨店の歩道橋の下で演奏する夜もあったり、毎晩梅田界隈でブラス系のバンドのライブをタダで観られたいい時代だった。

 

そして、同じ予備校に通っていた吹奏楽部の友達・あい(バスクラ)と大阪駅まで歩いて帰ってたときに偶然出会ったのが、hot hip trampoline school という元スカパラの冷牟田さんプロデュースでデビューしたバンドだった。

 

EST と HEPの間の道ではじめてトランポリンを観たとき、

めっちゃヘタクソやのにめっちゃカッコいい!!ぜったい私のほうが上手いのに!!なにこれ!!

という衝撃を受けたのをよくおぼえている。

 

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人生初ライブハウスも、あいと行ったトランポリンのワンマン@梅田HEAT BEAT(当時はもうON AIR OSAKAという屋号に変わってたかもしれん)だった。

 

私のプレイリストに影響を与えたのは、間違いなくトランポリンだ。

TRIBECKER に出会わなかったら、毛皮のマリーズに出会えなかったけど、

TRIBECKER というバンドを知ったときに、アルバムのメンバーのところに青木ケイタ(B.sax)と書いてあって、

あのとき、あのトランポリンのメンバーの青木さんが新たに結成したバンドということがわからなければ、ライブまでは行かなかったかもしれない。

 

トランポリンはいろんな人に影響を与えていると思う。

今や売れっ子エンタメジャズバンドのカルメラのリーダー・ゴウシくんは、トランポリンのローディーをやっていた人だし、トランポリンのオフィシャルBBSに長文の書き込みをしてらしたので、一方的によく知っている。

その後カルメラを結成して、まずは関西のクラブシーンで活躍して、バンドで上京して色んなところからひっぱりだこになってすごいなあと思う。

4年前のやついフェスで極悪ドレスコーズを観たあと、別の会場のステージでカルメラが演奏しているのを観て、東京で一方的な再会を果たしたのがめっちゃエモかった。

 

 

トランポリンやTRIBECKERの他にもDOBERMAN赤犬(犬つながり)、ARGYLE、BAGDAD CAFE THE trench town とか、

東京からは、渋さ知らズとか勝手にしやがれとか、RISINGTONES とか copa salvo とかが来たりして、

そういうイベントにTHE NEATBEATSとか、THE BAWDIES が出演する日もあったし、

スカもロックもロカビリーもジャズもレゲエもボサもラテンも、ジャンル関係なくごちゃ混ぜで、いろんなバンドが出演してて、いろんな音楽やバンドを好きになった。

あの時分の関西クラブシーンは独特だった。

去年渚ようこさんの追悼イベントで、東京の「自由に歩いて愛して」に遊びに行ったときも思ったけど、特にゼロ年代前半までのクラブシーンは、各地地域性が濃かったんじゃないかと思う。

 

だから2TONE SKA も好きだし、特別 RUDY てわけじゃないげど、

スペシャルズの “Little Bitch” (しまはバンドビッチ)がかかったら、

「ワン、ツー!」って言いながら、RUDE BOY たちと一緒に踊ってたし、

 

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「ネオスカ」とか呼ばれていたDOBERMANのライブも好きだった。

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DOBERMAN は、あの頃から今もずっとかっこいい。

DOBERMANはよくKING BROTHERSともツーマンするし、

東京だと紅布でワンマン何回かしてるし、

あのオリジナルドレスコーズ最後のステージとなった豪雨のOTODAMAの、同じステージの出番いっこ前がDOBERMANだったし、

しまとニアミス感がめっちゃあるバンドだ。

 

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前置きが長くなったが(今までのは前置きだった)、

 

ドレスコーズの"プロメテウスのばか"をApple Musicで

 

『ジャズ』9曲目の “プロメテウスのばか” をFM802 の宇宙初OAで聴いたとき、

「めっちゃ 2TONE やん!! 」

「しまがスカでスカ???」

「今度のアルバムそっち系???」

て、めっちゃびっくりしたし、

 

『ジャズ』を聴くと、あの頃の関西クラブシーンでの出来事を思い出す。

 

 

“プロメテウスのばか” はボトムに2TONE SKA をもってきて、世界最速のバルカンをのせて、2つの音楽を融合させるという試みだったらしいけど、

ただその試みで「2TONE SKA やから、ギターとドラムはスカパラの加藤さんと欣さまで~、ホーンは梅津和時さんたちにお願いして~」という発想が完全に小3男子だと思うし、

そんな小3男子の発想を実現できるしまの立場もすごいし、

CD売れんくなったとは言え、やっぱメジャーレーベルはすごいし、

まだまだ資本主義の時代やなと思う。

 

 

“プロメテウスのばか” は、関西クラブシーンで聴いたどの音楽よりもカッコいいし、

DOBERMANスカパラも、

この1曲でドレスコーズが超えてしまった。

 

 

なんか、あの頃の思い出をバンドビッチに寝取られた気分。

 

 

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そしておとといの「THE END OF THE WORLD PARTY TOUR」初日、

あの東京キネマ倶楽部のステージで、

「チキチッチキチッチキチッチキチッ……(高速)」

と言いながらスカダンスをするしまをみたらもうたまらなくなって筆を取り、この曲のレビューを書いた次第であります。

 

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 ■□■ ↑スカダンス。イメージ。 ■□■ 

  

 

 

 

 ■□■  新作グッズも 2TONE 。 ■□■ 

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 『ジャズ』以外の楽曲も、リズムをジャマイカ調とか裏打ちとか、好きなアレンジに変えてるのもあって、それがめっちゃ気持ちいいし、初夏のツアーに合ってる。

やはり名曲はどんなアレンジでも名曲だと思う。

 

 

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そういえばあの頃の関西クラブシーンの人たちは、昼間は音楽以外の仕事をしている人が多くて、graf の代表の服部さんも pug 27 というバンドのメンバーだし、DOBERMANのメンバーもほぼ全員デザイナーか作家だし、バンドもお客さんも、なぜかデザイナー率が高かった。

だからおしゃれでカッコいい人ばかりだったのかもしれんし、昼の顔も知っている人たちの、夜しか見せない姿が見られるのがおもしろかった。

 

「今晩ヒマやから行こかな~。なんかやってるかな〜。」みたいな飲みに行くノリで遊びに行けるかんじもよかったし、

関西クラブシーンの、いい意味でチャラくて軽くて熱さがなくて、チルいかんじも私は好きだったんだと思う。

 

 

 クラブシーンは、必ずしもバンドの人が主役ではないというところが、ライブシーンとの大きな違いだと思う。

もちろんライブも、バンドメンバーと話すことも楽しかったけど、

お客さんでファッションがかっこいい人、おしゃべりがおもしろい人、踊りが上手い人がいつもみんなのあこがれで、パーティーの主役だった。 

 

 

「THE END OF THE WORLD PARTY TOUR」世界の終わりのパーティーが、今までのドレスコーズのツアーとちがうのは、クラブシーンの魅力も感じられるからだと思う。

 

去年『三文オペラ』を経て、過去の楽曲をお芝居として観せてくれた「PLAY TOUR」は、演奏はもちろん、演出で意味をもたせたステージ上のすべてに目が離せなくてじっと見入ってしまったし、ライブが終わっても演劇を観たあとみたいに考えさせれるツアーで、それもおもしろかったけれど、

 

今回の「PARTY TOUR」は、ただただ楽しくて踊りだしてしまう。

このツアーはその名のとおり、ライブではなくパーティーなのだ。

 

全国のライブシーンしか知らない今の世代の子たちに、フェスとはまたちがう “お客さんも主役” のパーティーを、クラブシーンの魅力を、ドレスコーズがおしえてくれるツアーになるんじゃないかと思う。

 

 

世界が終わるのなら、

世界が終わるまで、

ドレスコーズの音楽で踊りあかしたい。

 

 

はじめて東京から始まったツアー。

きっといいツアーになる。

明日は札幌。

いってらっしゃい。よい旅を。 

 

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